当社に実際に寄せられたM&A相談をもとに、関係者のプライバシーおよび秘密保持に配慮し、一部の内容を加工・再構成して掲載しています。
相談の背景
採算の悪化を受けて事業の進め方を見直していた舗装会社から、承継について相談がありました。施工力と顧客基盤を活かした事業の立て直しを検討する同業の買い手候補を視野に、事業譲渡を含めた方法を整理しました。低粗利の案件があることを隠さず、原因と今後の対応を説明できるようにすることが主題です。従業員や取引先との関係を残すための条件もあわせて検討しました。
重視した条件
重視したのは、会社全体の利益だけで評価を求めず、どの工事をどの条件で引き継ぐかを明確にすることです。見積の改定状況や外注費を確認し、既存の施工班と顧客関係の価値を、不採算案件の問題と分けて伝える必要がありました。代表が担う見積や元請対応、配車、協力会社の手配も整理し、候補先が補える運営上の課題と、継続して残す施工機能を確認する方針としました。
整理したポイント
整理の中心は、不採算の要因と引き継ぎ範囲です。工事台帳をもとに工種ごとの粗利、外注費、警備費を見直し、材料や現場条件が採算に与える影響を説明できるよう準備しました。受注残、未成工事、追加請求や手直しの履歴も確認対象です。過去の利益をそのまま将来へ当てはめず、単価の改定、案件構成、更新投資、リース残、運転資金などを切り分け、承継条件の検討に必要な資料を整理しました。
引き継ぎに向けた確認事項
引き継ぎに向けては、進行中の工事と見直す案件の扱い、主要取引先への説明順序、代表や現場責任者の役割を確認します。価格に関する希望と、設備更新や現場運営に必要な負担も分けて協議する必要があります。買い手側の原価管理を取り入れる場合も、施工班や事務担当の負荷を確認しながら進める方針を検討しました。採算改善や条件の向上を前提にせず、判断材料をそろえることが相談の焦点でした。
